DAコンバーター基板(東京光音電波製 0.1 % 抵抗や半導体検査装置用リードリレーなどを使用)
ようやくDAコンバーターの基板が完成しました。ごらんのとおり、1980年代のプリント基板のようなレトロな仕上がりです。完成品はこれからケースなどを設計しますので少し先になりますが、数量限定(月1セット)で簡単に音が出る状態の基板と付属品のセットを販売します。
DAコンバーター基板 基本セット
※完成品ではありません。
※大変申し訳ありませんが、製造が間に合わないため、基板セットの受注を休ませていただきます。ものすごく売れているわけではないのですが、生産効率が悪すぎるため、わずかしか作れません。重ねてお詫び申し上げます。
以下のものが配線済みで付属します。ACプラグを1ヶ所だけ接続してから(簡単です)コンセントに挿し、CDプレーヤーかパソコンからの光ケーブルを基板上のコネクタに、LINE出力ケーブルををアンプに接続すれば音が出ます。付属品は音出し確認用の簡易なものですが十分実用になりますので、じっくりと聴きながらケースや電源を検討してください。
・配線取り付け済み基板コネクタ2個
・Amanero Combo384 用フラットケーブル
(Combo384 は別途購入していただく必要があります)
・デジタル回路用スイッチング電源
・アナログ回路用 スイッチング電源
・RCAピンケーブル
・ACケーブル
(基板上に光入力端子があります)
※基板には光入力のほか、バランスとアンバランスの2つの同軸入力がありますが、配線が必要です。
※USB入力での使用には、別途 Combo384 を購入する必要があります。
※すべての入力で32 kHz、16 bit から 192 kHz、24 bit までに対応します。
基板のオプション一覧表
オプション名称 | 内容 | 税別価格 |
600 Ωバランス出力への変更 | 3P キャノンケーブルが配線済みで付属し、 アンバランス出力機能とRCAピンケーブルは無くなります | 10,000円 |
600 Ωバランス出力の追加 | 3P キャノンケーブルが配線済みで付属し、 アンバランス出力機能とRCAピンケーブルも付属します | 15,000円 |
DSD再生機能(要Combo384) | DSD再生専用のフィルター回路などが追加され、 2.8 MHz と 5.6 MHzに対応します | 25,000円 |
外部アナログ回路切り換え機能 | 真空管式I-V変換回路などの外部の回路との 切り換えが可能になり、ミュート用リレーが追加されます | 25,000円 |
回路の詳細については、近日中に掲載しますが、チップにDSD1794を1個用いた、最もシンプルな構成に落ち着きました。DSDのパッシブ再生などの野心的な発展も可能に準備されていますが、現状では実用性に乏しいので無効にしてあります。将来的に有用になれば、改造方法をお知らせするか、弊社で請け負う予定です。
特殊な部品や機能と手実装の多い非効率な構造のため高価になってしまいましたので、常連の方々に申し訳ないということになり、少量のみですが、ほぼ原価で販売させていただきます。
わたし自身(小林です)の再生装置でも、オイロダインなどで満足できるDAC製品がなかなか見つからず、長年アキュフェーズの古いディスクリートDACを手放せないでいましたが、これでようやくおさらばできそうです。オイロダインでは、高価なDACはブランドの音が邪魔、古いDACは甘い輪郭で不満足、安価なDACは案外ニュートラルな音の製品があるもののアラが見えるといった状況で苦労しました。
基板と付属品のセット(※画像には標準でないオプションが含まれています)
アナログ再生はじつに魅力的ですが、もはやデジタル抜きのオーディオは考えられません。アナログで名演奏の名録音、しかもオリジナル盤で状態のよいディスクとなると、聴ける曲目が狭い範囲に限られてしまいます。わたしは大のクラッシック好きですが、何十年も同じような曲を繰り返し聴いてきました。
ところが、BRILLIANT CLASSICS社の作曲家別全集など、安価なCDのボックスセットを大量に購入するようになってから急激にレパートリーが広がり、たった数年で主要な作曲家の作品をほぼ網羅して聴くことができました。アナログ時代には考えられなかったことです。
このようにデジタルならではの良さは認めざるをえないのですが、どうもCDプレーヤー(SACDも)というものの進歩は正しい方向に行かず、大人が趣味で使うような機器は、ちょっと滑稽で大げさなものになってしまいました。ところが、ここへ来てパソコンで音楽ファイルを再生するPCオーディオが主流になり、もしかすると、まともな方向に軌道修正されるかもしれません。
ただ、現状では数万円といった価格帯の機器が元気で、ベテランのオーディオ愛好家の嗜好とはギャップがある状態です。また、比較的正しい方向へ進んだ実用レベルのプロ用機器が驚くほど安価になったことからも、デジタル時代になって趣味のオーディオに深みがなくなったと感じます。安価で高性能なDACを使う若者に、何十万もするのにスペックが劣るDACを使うベテラン愛好家が軽蔑されるといった構図では困ります。
そこで、「どんなに高価で高性能なメーカー製アンプが登場しても揺るがなかった、回路や部品を吟味して自作、あるいは特注した自慢の真空管アンプのようなDAコンバーターは出来ないのか?」と思い立ちました。無意味なスペック競争におさらばして、中味に納得して使い続けられるものが欲しいのです。できれば、急速に失われた回路方式や部品を吟味・選択する楽しみを取り戻したいと考えます。