【第7話】来訪者とイベント

2015年8月
WE15Aホーンの前で雑談を交わすジャン平賀氏(中央)らご一行
WE15Aホーンの前で雑談を交わすジャン平賀氏(中央)らご一行

 今年は遠来のお客さんが多く、東京などからはもちろん、3月にはドイツからノーツさんご一行が、5月にはフランスなどからジャン平賀さんご一行が来訪された。また、8月には山口県からクラングフィルム・オイロパ・システムのアンプとスピーカーを所有されるK氏が来訪された。その間の5月23〜24日には、昨年に続いてオーディオ仲間の集会も実施した。

 フランスでオーディオ雑誌の編集などで活躍されているジャン平賀氏は、日本でも長期間活動されていたので、ご存知の方も多いだろう。同じくフランスからのK氏、ドイツからのH氏、ベルギーからのV氏といっしょに、4名で新宿からの高速バスで来てくださった。お昼には地元伊那谷の郷土料理をバイキング形式でお召し上がりいただいたが、口にあうどころか、カイコのサナギとイナゴまで「おいしい」というほどだった。国連が昆虫食を推奨していることもご存じだったので、興味をもたれたのだろう。

 リスニングルームでは夜遅くまで聴いていただいた。はじめにウェスタンエレクトリックの15Aを中心にした3ウェイを鳴らした。古いメッシュのリアキャップが付いた555Wの15Aホーンに、596Aツィーターとエルタス製のKS12004ウーファーを2発追加した3ウェイで、100 Hz〜6 kHzと、なるべく広い周波数範囲を15Aが受け持つ。ウーファーは6BX7単管プッシュプルの10 Wアンプで、555Wと596Aは104Dの丸球のシングルの0.5 Wアンプでドライブするマルチアンプ駆動だ。もちろんモノラルである。15Aはジャン平賀氏も所有しておられ、柔らかな音色がお気に入りの様子だった。

京都に唯一残る名曲喫茶「柳月堂」の再生装置
京都に唯一残る名曲喫茶「柳月堂」の再生装置

 つぎは唯一ステレオのコンスキ&クリューガーKL51をEL34シングルの8 Wアンプで、最後はモノラルのオイロパ・クラルトンをクラングフィルムのオリジナルであるオイロネッテ・クラルトン・アンプで聴いていただいた。70 cmウーファーに横幅3.5 mのホーンというオイロパ・クラルトンの低音には強烈なインパクトを感じておられたようだが、個性的な高音には賛否両論だった。「オイロパ・クラルトンのウーファーにコンスキ&クリューガーのツィーターを乗せれば最高だ」という意見も頂いたが、簡単に実現できることではない。

 私はK氏とは旧知の仲で、一昨年家族と一緒にストラスブール近くのK氏の家におじゃましたときには、アルザス・ワインロードを彼のBMWでドライブしてもらっている。そのお礼に、今回はみなさんを京都まで車でお連れし、1日ご案内させていただいた。南禅寺などの名所を楽しんだ後は、唯一京都に残るという名曲喫茶「柳月堂」に入り、私語禁止の落ち着いた店内で、ゆっくりとコーヒーをいただいた。こういう癒やしの場の再生装置に、我々機械マニアがとやかく申し上げてはいけないことは、みなさん紳士なのでよくご存知の様子だった。最後に鴨川納涼床ですき焼きの夕食をご一緒し、ホテルまでお送りして別れた。その後、ドイツのH氏からDACチップを百数十個パラレルにしたという、とんでもないDAコンバーターの情報をいただいた。ジャン平賀氏とK氏は15Aを、V氏はEMT927の2連コンソールをお使いで、筋金入りオーディオファイルのみなさんだ。

2014年5月24日に開催した第1回目の集会の様子
2014年5月24日に開催した第1回目の集会の様子

 5月23〜24日の2日間で、昨年に続いてオーディオ中間の集会をわたしのリスニングルームで行なった。会社にある装置はいつでも聴いていただけるが、こちらにある機器は公開していないので、この集会のときだけお聴きいただける。一昨年までは新年会を兼ねていたりして、開催時期も内容も統一性がなかったが、今後は毎年恒例のイベントにする予定だ。そこで、会の名称を考える必要があるのだが、「駒ヶ根・クラングフィルム・会」で「KKK」だとまずいし、なかなか妙案が浮かばない。第1回は2014年の5月24日に開催し、オイロパ・クラルトン・スピーカー44010のお披露目と、新忠篤氏による卵型スピーカー「ビフレステック」のデモが中心だった。

新忠篤氏によるAD1シングル単段アンプ
新忠篤氏によるAD1シングル単段アンプ

 今年の5月23〜24日に開催した第2回は、前回時間切れであまり聴けなかった反省から2日間に延長した。今回はコンスキ&クリューガーの劇場用スピーカーKL51(ステレオ)で発表者の様々なアンプやDAコンバーターを聴くのと、オイロパ・クラルトン・スピーカー44010(モノラル)をクラングフィルムのオリジナルアンプ32650 EURONETTE KLARTON(AD1シングル)で鳴らすことが中心だった。初日は新忠篤氏によるAD1単段アンプでテレフンケンとバルボのAD1を聴き比べた。アンプのおかげもあって、KL51の音を気に入ってくれた人が多かったようだ。そのほか、2日間でスピーカーの発表が1件、真空管アンプの発表が2件、DAコンバーターかネットワークプレーヤーの発表が3件あり、盛りだくさんの内容だった。自作派は真空管も回路も出尽くしてネタづまり様相を呈していたが、ここへ来てベテランの自作派がデジタルに手を出し始めたことで、閉塞感を打開できそうだ。参加者は昨年とほぼ同じ25名で、工事中のため狭いリスニングルームで窮屈な思いをさせてしまった。

2015年5月23〜24日に開催した第2回目の集会の様子
2015年5月23〜24日に開催した第2回目の集会の様子

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