虚装を廃した実用的なアンプを2017年夏ごろに発売予定です。価格もクラング・クンストとしては、これまでにない低価格にしました。入力セレクターを備え、プリメインとしても使える V2010 と、mono4stereo(モノベースの立体音響再生システム)用演算回路を内蔵した V2020 があります。電源入力コネクタのネジ止めだけで組み上がるキット版も用意しました。
EMTのプレーヤーとクラングフィルムやノイマンのアンプで、オイロダインを鳴らしているようなベテラン愛好家のサブ用に最適なアンプ目指しました。すでに開発済のDAC基板と同様に、色付けの少ないニュートラルな音ですので、全段トランス結合に希少球といった個性的なアンプばかり所有していて、基準となる音を見失いそうな愛好家のリファレンスに最適です。
10 W 弱という控えめな最大出力なので、貴重なヴィンテージスピーカーを破壊してしまうことが起こりにくくて安全です。さらに、マランツなどとは異なり、下の写真にあるメタルベースの EL34 といったヴィンテージ球も安心して使える回路構成になっているなど、愛好家のツボを押さえた製品です。標準ではJJなどの新しい真空管ですが、ドイツの古い真空管もオプションで選択可能です。
以上のように、ほぼヴィンテージマニアの「必要」から生まれたアンプですが、大音量が難しい環境なら、新しい小型スピーカーの多くにも適しています。音量を出せるばあいでも、B&W CM1 S2 や ELAC BS192 などに FOSTEX CW250B といったサブウーファーを組み合わせて使うなら、ローカットフィルターと高精度な L + R 出力のある V2020 が好ましい音質と十分なダイナミックレンジを実現するでしょう。
仕様
| V2010、VK2010 | V2020、VK2020 |
使用真空管 | EF86 (6267) X 2 + EL34 (6CA7) X 2 | EF86 (6267) X 2 + EL34 (6CA7) X 2 |
入力端子 | RCAピンジャック X 4 のステレオ2系統 | RCAピンジャック X 2 のステレオ1系統 |
入力インピーダンス | 100 kΩ | 100 kΩ |
入力セレクター | 2系統切り換え | なし |
ローカットフィルター | なし | OFF、125 Hz、250 Hz の3段階 |
ボリューム | L、R 独立 | L、R 独立 |
スピーカー出力端子 | バナナジャック X 8 のステレオ1系統 | バナナジャック X 8 のステレオ1系統 |
出力インピーダンス | 4、8、16 Ω | 4、8、16 Ω |
出力電力 ※ | 6 W (歪率 1 %)、9.5 W (歪率 5 %) | 6 W (歪率 1 %)、9.5 W (歪率 5 %) |
ローノイズ電源基板 | あり | あり |
mono4stereo基板 | なし | あり |
LINE出力 | なし | L + R、L - R の各1系統 (RCA、負荷は 2 kΩ以上) |
真空管カバー | V2010のみあり | V2020のみあり |
※抵抗負荷時の測定値で、使用する真空管によって増減します。
【仕様、および外観は予告なく変更するばあいがあります】
予定価格(税別)
V2010 | ステレオアンプ | 27万円 |
V2020 | 上記に mono4stereo 用演算回路を内蔵したモデル | 未定 |
VK2010 | V2010 のキット版(電源コネクター配線のみ)真空管別 | 未定 |
VK2020 | V2020 のキット版(電源コネクター配線のみ)真空管別 | 未定 |